top of page

コンサートを明日に控えて

  • 執筆者の写真: Hiroe
    Hiroe
  • 7月24日
  • 読了時間: 4分

公演一週間前に突然の演奏会中止の連絡。


それは先月6月の出来事。

しばらくその事実を受け入れることができなくて。



「わたしが何か悪いことをしたのだろうか」

「その公演に向けて冬から動いていたのに、どうして」

「帯同するピアニストにもとてつもない迷惑をかけてしまった」


なんで、なんで、なんで・・・



そんな思いがしばらくわたしの中を、ぐるぐると渦巻いていた。



そのぐるぐるを、親身に聞いてくれる友人たち

その公演に関わっていた関係者たち

他愛のないことに一緒に笑い合ってくれる仲間たち


そんな、温かい人たちにわたしは救われた。



それと同時に、

「札幌でコンサートをする」という声が

あらゆる方面からわたしの中に入ってきた。



ある人はこう言った:

せっかく何ヶ月もかけて準備してきたのにお披露目ができないだなんて、10ヶ月妊娠していたのに、赤ちゃんを生み出せていないモヤモヤと同じようなもの


またある人はこう言った:

演奏ができなくてこんなにも傷ついたのだから、演奏することでしかその傷は癒やせないんじゃないかな



なるほど、そうかそうか

と聞いている中

わたしを大きく揺さぶったのが


札幌のお友達からの「札幌でコンサートしよ?」というひと言



言われたときはすぐに気持ちが動いたわけではなかった。

演奏会に向けるエネルギーというのは凄まじいもので

それが一度へし折られてしまったのだから、なかなか立ち上がることができなかったのだ。



でも、そのお友達も一度だけで諦めなかった

折を見て、わたしに「コンサート、やらない?」と声をかけてくれた。

それだけではなく、「協力するよ、手伝えることはなんでもする。だから、やろ?」と。



なんてありがたいお言葉。


そこまで言っていただける人がいるだなんて、本当に幸せものだなぁ



そんな感じで、徐々に「やってみようか?」という気持ちに傾いていき

「やる!」と決めたら、そこからは速かった。


ホールの空き状況の調査

ピアニストへの意思の確認と予定の確保

お手伝いしてくれる人探し

果たしてその日程で集客は望めるのか?の調査



そしてある程度見通しが経つと

ホールを予約し、チラシ制作、Peatix制作、チラシ発注と

決めてからここまでわずか2日ほどであった。


基本的には慎重派タイプではあると認識しているが

覚悟を決めたあとの行動力と動きの速さは右に出る者はいない(言い過ぎw)



そんなわけで

あっという間に今日は7月24日

明日はコンサート本番です。


念入りにリハーサルもした、6月には組み込んでいなかった新たな挑戦も取り入れ

札幌の大好きな人たちに喜んでいただけるよう

できる努力はしてきました。


前日に、こうしてブログを書けるだなんて

随分余裕があるじゃないの!と我ながら思う。



今回は、お手伝いスタッフも気を許したお仲間さんたちなので

そこで心の余裕が出ているのかもしれない。



いずれにしても、ここまできたらあとはやるだけ。

よくここまで頑張ってきたと思う。お疲れ、わたし、よくやったね。

集客できない・・と弱音を吐いていた先週。

でもここに来て、どどどと増えました。

目標の数字までは届かないかもしれませんが、概ね良好と思います。



最後に。


わたしは今でもクラリネットを演奏することに怖さを感じています。


「完璧に吹けなかったらどうしよう」

「ミスしたらどうしよう」

「指の状態が最悪だったらどうしよう」


そんな思いが巡ります。


でもね、最近はその「怖さ」よりも「楽しさ」や「喜び」が勝っていると感じます。

音楽を「美しい」と感じる心を、じっくり味わっているわたしがいます。



何年か前に、わたしにこう言ってくれた人がいたんです。

「そのうち、指のことが気にならなくなるよ」と。


フォーカルジストニアの指のことしか考えられなかった当時は、

そんなこと言われても全くピンとこなかったのですが、

ここ最近はそんな感覚を少しずつ体感できているんじゃないかな。



「気にならなくなる」ってことは、排除じゃなくて受容です。

「ここにいていいよ」って受け入れてることになる。

「あっち行け」じゃなくてね。



なんか、まだうまく言葉にできないんだけれど

そんな風に感じられる瞬間が、わたしはすごく嬉しいなって感じてる。



「ここにいていいよ」

すごく安心する言葉。

これからはもっとそんな言葉をかけていきたいと思う。

わたしの指に。わたし自身に。

コメント


©2021 Hiroe Futada

bottom of page