自分の内側を言葉に
2012年に演奏活動を休止して
2022年に再開
それからわたしの演奏スタイルはいつも「トーク」と一緒
病気になる前は、ステージ上で話すと言ったら
演奏する曲の解説くらい
それすらも、わたしは苦手であまり話したくはなかった
今は50分話して、50分演奏して
そんな感じ
当時のわたしが見たらさぞ驚くであろう
今も
話すことが「得意」とは思っていないけれど
「苦手意識」はなくなったかもしれない
なんでも
○○すべき!から解放されると
楽になっていく
人前で話すとき
台本みたいなものは一切作らないけれど
なにを話そうかな、とはぼんやり考える
その時にすることは「内側の言語化」
内側は日々変わる
環境や状況の変化などで、内側から出てくる言葉も変わってくる
6月の札幌公演で100人の方に聴いていただいたけれど
その時と今とはわたしの内側は違う
だからこうして時々「今のわたしを言葉にして外に出す」
同じ話はできないって言ってるのは
内側が常に変化しているからなんだな
わたしは「フォーカルジストニア」という病気を公表している。
公表するまでにも何年もかかっていて(罹患してから10年)
公表したからといって、完全に割り切れているかというと
そうでない部分もある。
今でも葛藤はたくさんある。
わたしは2022年から音楽家として演奏活動を再開したけれど
今でも指は不自由で、すごく悔しいし辛い気持ちもある。
でも、この病気のわたしも、わたしの大切な一部。
病気のわたしを否定したり排除しようとすることは、わたし自身を否定し排除するのと同じ
「排除じゃなくて共存」
こう思えたことでわたしは再び人前で演奏ができるようになった
「病と共に生きていく」という決意と覚悟なのだ
わたしの全ては変化している
演奏する曲も、場所も、共演仲間も、使う楽器も
しかし、その全ての変化を受け入れる覚悟さえ
時には揺らぐ時がある
それでも、その揺らぎを繰り返しながら
少しずつ少しずつ
強くしなやかになっていくのではないだろうか
わたしの「リアル」を見せていくこと、
それが大切なような気がしている
わたしの演奏会に足を運んでくださった方はわかると思うけれど
今のわたしは「完璧な演奏」はしていない
「ミスパーフェクト」と呼ばれていたわたしが
12年の時を経て「アンパーフェクトimperfect」として戻ってきたのだ
恥をかくことを怖がっていたらなにもできない
わたしはこれまで、どちらかというと「気取って」生きてきたけれど
今のわたしは「リアル」を見せていきたいなって
その姿を「ダサい」って思う人がいてもいい
「泥臭いことやってんな」って笑う人がいてもいい
それでも続けていれば
いつか一緒に泥んこを顔につけて笑ってる人が
周りにいるはず
今のひろえは、そう思うよ
2023.09.10
Comments