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  • 執筆者の写真Hiroe

記憶に残る人

更新日:2022年2月12日


忘れられない人のひとり

ノルウェー留学中に師事していた

ベルゲンフィルハーモニーの首席奏者


天国に行ってもう17年くらいになるのかな



彼は今でも私の中で生き続けている



 


My storyにも書いてあるけれど

私の人生に大きな影響を与えた人



目を閉じると浮かんでくる

彼の笑顔や優しい声、かけてくれた言葉たち

温かな音色、演奏している姿



ノルウェーの作曲家グリーグの名前が付けられた

グリーグホール(Grieghallen)にて毎週末行われていた演奏会

そこで聴いたラフマニノフ作曲「交響曲第2番」の3楽章が忘れられない








先生の音色が

先生の音楽が

先生の世界観が

ホール全体を包み込んで

私の心を

聴衆の心を掴んで

離さなかった



あまりの美しさに息をのんだ

感動が温かな涙となって頬をつたう


魂が震えるのを感じた



 


以来この曲を聴くと

あの瞬間にタイムスリップする


私はほの暗い客席に座っていて

彼は煌々と明るいステージの上で

クラリネットを吹いている


あまりにも神々しくて

涙が溢れる



 


彼は私の中で当時のまま生き続けている

私が望めばいつでも会いに来てくれるんだ

いつも穏やかな表情で微笑んでいる

特に何か言うこともなく

少し離れたところで

温かく優しい笑顔で佇む




パリに行くかどうか迷った時

「先生は私がクラリネットを続けることを望んでいる」って思っていた

私の成長を見せることが先生への恩返しだと感じていた




実は、クラリネットから離れていた10年間も

ずっとその想いがあった


私がクラリネットを辞めたら、先生悲しむだろうな」って




でもね

それはきっと私の思い込み




先生がもし

もしも私になにか望んでいることがあるとしたら

私が笑顔でいること」かな

しあわせそうにしていること」かな


「クラリネットを(無理して)続けてほしい」とは

思っていなかったんじゃないかな



 


クラリネットが吹けなくなって

たまらなく悲しいとき

「助けて」「私はどうしたらいいの」「辛いよ、苦しいよ」

ってどんなに言葉を投げかけても

先生は何も言わなかった


ただただ柔らかな表情で、そこに居た



 


私がクラリネットをやっていなかったら

きっと出逢うことのなかった人だけれど


今はクラリネットで繋がっているわけではなくて

たとえ私が音楽以外のことをやっていたとしても

先生はいつも見守って包んでくれている

私のしあわせを祈っている

今までも

そしてこれからも



 


こうやって一つずつ

執着を離れる

思い込みを手放していく



すると

身も心も

自由に軽やかになる



その先に

新しい世界が待っている



 


先生は今日も

いつもと変わらない穏やかな微笑みで

ここにいる













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